生きるのに必要な歯。歯の役割と健康な歯のための基礎知識

「8020運動」という言葉を聞いたことはありますか?
80歳になっても自分の歯を20本以上残そうという運動のことです。歯の直接的な仕事は「噛む」ことですが、歯は顔の表情をつくったり運動機能を維持したりと、身体全体の健康維持の源といっても過言ではありません。よく噛みよく食べる人は認知症にもなりにくいといわれています。

一生充実した人生を送るために、歯は重要なポイントを占めています。

 

歯の役割とはどんなものがあるの?

歯には、健康に過ごすためのいろいろな役割があります。

噛む

食事をするために噛むことは一番大切な機能です。
よく噛むことでだ液と食物がしっかりと混ざり、消化を助けます。消化が良くなると栄養の吸収も良くなりますし他の臓器への負担も軽減します。また口腔内がいい唾液で潤っていると虫歯やウィルスの侵入を防いでくれるともいわれています。

 

脳に刺激を与える

よく噛んで食事をする人は認知症にもなりにくいと言われています。おしゃべりをすることも脳に刺激を与えますが、歯が抜けたり噛み合わせが悪かったりするとうまくしゃべれなくなります。滑舌と歯並びは密接に関係しているのです。

 

美しい表情をつくる

総入れ歯を外したら人相が変わるのは、マンガの世界だけでなく本当に起こることです。また、笑顔から見える、白く整った艶やかな歯は美しさのシンボルですね。

 

姿勢を保つ・身体の調子を整える・運動能力を高める

歯の嚙み合わせが悪いと、頭痛肩こり腰痛を引き起こしたり、顔や身体の左右のバランスが崩れたりとさまざまな不調がでてきます。
また、噛みしめる力が弱いと踏ん張ることができず、身体能力が落ちます。お年寄りも、歯が衰えると足腰も衰えるといわれています。
スポーツ選手は、噛みしめを予防し歯並びを維持するためにマウスピースをはめて眠るという方も多いそうです。

子どもがポカンと口をあけるクセを持っていたら、歯並びが悪かったり歯肉炎があったりする可能性があります。歯科医によっては、ポカン口の改善のために「あいうべ体操」などを採用しているところもあります。

 

健康な歯を保つには、なんといっても予防歯科!

80歳を越えても自分の歯を残すために、健康な歯を保つためにはどうすればいいのでしょうか。
まず虫歯がないことはもちろんです。少しでも痛みがあったら放置せず、できるだけ早く治療しましょう。

それに加えて歯茎の健康も重要です。
厚生労働省の平成23年度歯科疾患実態調査によると、30歳以上の日本人の約8割は歯周病に罹っているのだそうです。
歯周病とは歯の周囲にたまった歯垢(プラーク)により歯茎に炎症が起こる病気です。炎症がひどくなると歯茎がどんどん痩せて歯を支えきれなくなり、やがて歯を失ってしまいます。歯周病は自覚症状がほとんどないためいつの間にか進行してしまい、気づいたときには手遅れになりやすいのが特徴です。
少しでも歯茎に違和感を持ったり、口臭がしたり、口の中がネバネバしたり、歯磨きの際に歯茎から出血したりするようなら、すぐに受診することをおすすめします。

歯を残すために、多くの歯科医が予防歯科を推奨しています。予防歯科とは、虫歯になったり違和感を持ったりしてから歯科医に行くのではなく、口腔内の健康を保つために、定期的な検診とメンテナンス処置を受けることです。

毎日きちんと歯磨きをしているつもりでも、少しずつ磨き残しの汚れは溜まっていくものです。口腔内の状態にもよりますが、概ね3ヵ月に1回程度、歯科医院にて専用の機械を用いて、歯科医や歯科衛生士によるPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を受けると、驚くほど口腔内がスッキリします。その際に虫歯があるかどうかも診てもらえますので、深刻な状態になる前に処置することができます。

もちろんメンテナンスに通っていても、自宅での歯磨きもきちんとしてください。食事の都度に汚れを落とすことが大切ですし、歯茎のマッサージをすることで血行が良くなり、菌やウィルスへの抵抗力が高まるとされています。

ちなみにお釈迦様も「歯木」という木を使って歯磨きをしていたという言い伝えもあります。昔から歯が大切なことは知られていたのですね。

 

待たせる歯科医・待たせない歯科医

歯科医を選ぶ際には、患者に対して真摯な先生を選びましょう。
WEBサイトで比較するのもいいですが、決定するまでには候補の2~3医院を受診してみるとよいでしょう。

するとその医院の患者に対する考え方や姿勢が分かってきます。

例えば「歯科医は時間がかかるもの」と思い、長い時間を我慢して待っている方も多いのではないでしょうか。
これほどインターネット環境が整備されている現代です。WEBで予約ができ、リアルタイムに自分の待ち時間が分かるシステムを導入している歯科医もあります。

そこまではいかなくとも、予約をしていてその時間に行っても長時間待たされるようなことがあれば、治療に対しての時間の見積もりが甘い、もしくは患者の時間を奪うことに無頓着といえます。

思いやりのある歯科医は、できるだけ待たせない工夫をしていますし、待たせる際も不快にならないような配慮があります。単に待ち時間を見るだけでも患者に対しての献身度がわかります。

そして治療の際は、どのような治療をするかを詳しく話してくれる、インフォームドコンセントを大切にする歯科医を探してください。初回のカウンセリングに時間がかかり面倒くさいと思うかも知れませんが、歯は一生ものです。長期に渡り信頼して治療を任せる相手を探すのですから、心ゆくまで疑問に答えてくれる親切な先生が一番です。

検査や問診に時間がかかるのは、患者の歯と健康に誠実に向き合う姿勢の表れですので、悪いことではありません。時間に余裕をもってでかけるようにしてください。

 

まとめ

現役を退いてからも20~30年近くは生きる方がほとんどの時代です。入れ歯になると「食べたいもの」ではなく「食べられるもの」に食事の範囲が狭まってしまいます。
いつまでもおいしく食べ、たくさんおしゃべりし、美しく笑い、充実した第2の人生を送るためにも、自分の歯を大切にしたいものです。何事も早期発見・早期治療が一番です。

まずは定期的なメンテナンスを受けにお越しください。

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