自分の歯の色が気になるという方は少なくありません。
歯は毎日使うので、毎日きれいにブラッシングしていても、知らない間に着色してしまうことがあります。
今回は歯が黄ばむ原因と対策を知り、いつまでも白くて美しい歯を維持する方法をお教えします。
目次
歯が黄ばむ原因とは?
原因はステイン
歯が黄ばむ主な原因は、ステインです。
もともと自然の歯は少し黄みがかっていますが、ステインや着色によって色がさらに濃くなることがあります。
黄ばみ方には個人差があり、もともとの歯の色や歯並びの良し悪し、飲食物の傾向などによって左右されます。
歯の表面はエナメル質で覆われていますが、このエナメル質はペリクルという薄い膜でさらに覆われています。
このペクリルは唾液に含まれるたんぱく質で、ここにステインが付着するとペクリルと結合し、歯の表面に着色することになります。これが歯が黄ばむ原因です。
◎黄ばみのメカニズム
ペクリルは唾液に含まれる成分で、歯を保護するためにとても重要な成分です。
飲食によって脱灰という状態になった歯を再石灰化させ虫歯にならないようにしていますが、この再石灰化のときに着色しやすい成分と結合すると、歯の黄ばみを生じてしまうのです。
食事をした後に歯磨きしないでいると、食べ物のカスが歯の表面に付着した状態が続き、この時間が長くなればなるほど着色汚れが落ちにくくなります。
虫歯にもなりやすくなるので、注意が必要です。
◎食材に注意
ステインは加工食品だけでなく、野菜やフルーツなど自然の食べ物でも生じます。
いろいろな食材をとるのは栄養という観点からは大変重要なことですが、歯の美しさという点ではやや問題が起こります。
食材の中にはステインができやすいものとできにくいものがありますので、歯の白さを維持したいなら、ステインができやすい食べ物の摂取に気をつける必要があります。
◎頻度に注意
歯の着色のしやすさには個人差があります。
歯並びや口内環境に加え、コーヒー・紅茶など着色しやすい嗜好品を多くとる生活習慣があれば、それだけ歯も黄ばみやすくなります。
歯を白く保ちたいなら、着色しやすい食べ物を知ると同時に、摂取頻度にも気をつけましょう。
歯が黄ばみやすい食材とは?
◎色が濃い食べ物
食品例…ミートソーススパゲティ、カレー、醤油、ほうれん草、野菜ジュースなど
◎イソフラボンを含む食べ物
食品例…豆腐、豆乳、納豆、大豆の煮物やサラダ、など
◎スパイス類
食品例…ターメリック、カレー粉、ケチャップなど
◎ポリフェノール
食品例…コーヒー、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶、赤ワイン、ぶどう、チョコレート、ココアなど
◎タンニン(カテキン)を含む食べ物
食品例…緑茶、バナナ、柿、緑茶、りんご、これらのジュースなど
◎アントシアニンを含む食べ物
食品例…プルーン、イチゴ、ブルーベリー、これらのジュースなど
◎合成着色料を含む食べ物
食品例…キャンディ、グミ、ガム、スナック類
◎酸性の食品
酸性の食品は着色を促してしまうので注意しましょう。
酸性のものを摂取すると、歯のエナメル質からカルシウム分などのミネラルが溶け出す脱灰という状態になります。
この状態では歯の表面が凸凹していて色素が入り込みやすいため、着色しやすくなります。酸性の食品には次のようなものがあります。
炭酸飲料、梅干し、酢の物、白ワイン、スポーツドリンク、みかんなどの柑橘類とそのジュース
◎コーラ
コーラは合成着色料を使用している色素が濃い飲料である上に、炭酸飲料で酸性度が高いため、歯に色素沈着を起こしやすい飲み物です。
◎タバコ
タバコのヤニも歯を黄ばませる大きな原因になりますので、喫煙習慣がある人は注意が必要です。
すぐにできる対処法1:うがい
歯に色素沈着を残さないためにまずできることは、食べてすぐうがいをすることです。
歯磨きがすぐにできない外出先でも、とりあえずうがいをして汚れを流しておくことで、着色をある程度防ぐことができます。
ポイントは、ガラガラうがいではなく、ブクブクうがいということです。
歯についた汚れを水圧で取り除くように、水をたっぷりふくんで、ブクブクうがいをしましょう。
すぐにできる対処法2:ブラッシング
着色やステイン汚れは、軽いうちならブラッシングで落とすことができます。
黄ばみを落とすなら、ホワイトニング専用の歯磨き粉を使用することをおすすめします。
最初から、ステイン除去をうたった歯磨き粉もありますし、ホワイトニングジェルを使うのも効果的です。
汚れをきちんと落とすためには正しい磨き方も大切ですから、一度歯科医で習っておくとよいでしょう。
歯磨き粉の中には、飲食で歯が酸化してできる凸凹を埋める成分を含むものがあります。
代表的なのがハイドロキシアパタイトを含む歯磨き粉です。
ハイドロキシアパタイトは歯のエナメル質を構成する成分の一つで、この成分を含んだ歯磨き粉を使うと、ステインを除去するだけでなく歯の表面を補修してツルツルにしてくれるので、汚れの再付着を防止することにもなります。
すぐにできる対処法3:歯磨きガムをかむ
歯磨きができないときは、歯磨きガムをかむのもよい方法です。
キシリトール入りなど、着色汚れ防止に加えて虫歯予防にも効果が期待できます。
息も爽やかになり、一石二鳥といえるでしょう。ただし、あくまで一時的に歯を掃除するものですから、あとできちんと歯磨きをすることをおすすめします。
すぐにできる対処法4:歯のクリーニングを受ける
どこでもすぐにできるというわけではありませんが、歯科医でクリーニングを受けるという方法もあります。
逆に、クリーニングの予約が入っているときだけ、着色しやすい食べ物をとり、すぐにクリーニングしてもらうというのもよいかもしれません。
歯科医で受けられるクリーニングは、PTMC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥースクリーニング)といいます。
手用スケーラーと超音波スケーラーを使って行う、歯科医だけで受けられる本格的な歯のクリーニングです。
バイオフィルムの除去が主な目的ですが、歯を磨きあげるので着色汚れにも効果があります。
クリーニングで歯をきれいにしておくと、食べたときに着色しにくくなるという効果もあります。
定期的に受けておくと、着色汚れの予防に役立つのでおすすめです。
まとめ
歯は毎日食べ物に触れるので、どうしても着色しやすくなります。
しかし、少し気をつけておくだけでずいぶんと汚れがつきにくくなるものです。
いつまでも白くて美しい歯でいられるように心がけてみてください。