目次
はじめに
入れ歯治療は完成したら終わり・・というものではなく、せっかくご自分のお口に合った入れ歯を作ったとしても、日ごろのケアをいい加減にしているとさまざまなトラブルの原因になります。
最悪、お口の中だけでなく全身に悪影響を及ぼすこともあると言われています。
ここでは入れ歯を安全に使うための正しいケア方法についてまとめてみます。
入れ歯のメリット
最近ではインプラント治療が広く行われるようになってきましたが、それ以前の主な治療法は入れ歯でした。
入れ歯はインプラントのように外科的手術が必要ありません。
また、広い範囲で歯を失った場合にも治療が可能ですし、残された健康な歯を傷つけることなく固定できることもメリットです。
インプラントや入れ歯の他の治療法としてブリッジがありますが、これだと残された健康な歯を削る必要が出てきます。
ですが、入れ歯はバネで固定するため削る必要がないのが最大のメリットです。
入れ歯の汚れとは
茶渋
紅茶やコーヒー、日本茶などに含まれているタンニンが酸化した茶渋が付くことがあります。
タバコのヤニ
たばこの中のタールによって入れ歯が着色してしまうことがあります。
漂白効果のある入れ歯洗浄剤などを使えば落とすこともできますが、入れ歯が傷んでしまうことがあります。
あまりに頑固な汚れはクリニックで落としてもらった方がいいでしょう。
歯石
食べもののかすなどが溜まってしまうと歯石になってしまいます。
この歯石は水につけたり流したりするだけで落とすことはできないので、入れ歯洗浄剤などを使って落とす必要があります。
ただ、入れ歯を傷めてしまうことがあるのでクリニックできれいにしてもらうといいでしょう。
食べもののかす
食べもののかすはブラッシングや軽く水洗いすれば落ちます。
ただ、入れ歯を付けたままでうがいをした程度だと、食べものかすから細菌が繁殖してしまい口臭が起きたりします。
入れ歯のケアを怠ると
お口の中で繁殖してしまった細菌は口臭以外にもさまざまな病気を引き起こすと言われています。
歯周病
部分入れ歯の場合には健康な歯が歯周病にかかりやすいと言われています。
歯をきちんと磨いていても、入れ歯のケアがいい加減だとお口の中に汚れが残ります。
クラスプがかかった入れ歯を支えている歯は大きな負担がかかっているため、細菌とこの負担によってどんどん悪化します。
虫歯
入れ歯の中は特に汚れが残りやすく知らず知らずのうちに虫歯になってしまうことがあります。
プラークや汚れは放置すると硬くなり歯石になってしまいますが、歯石になると歯ブラシだけでは落としきることができません。
歯石が付着したままだと入れ歯の表面がざらざらしてしまい、プラークや汚れが余計につきやすくなります。
お口の中で細菌が繁殖すると口内炎になったり、虫歯や歯周病になりやすくなります。
義歯性口内炎
この病気は入れ歯がお口に合わなくなってきたことでお口の粘膜がこすれたり、圧迫されたりして傷つき炎症や潰瘍が起きるものです。
場合によっては血が出たり、赤くなったり痛みが起きたりします。
カンジダ性口内炎
これはカンジタ菌と言われる菌が入れ歯を使うことで唾液の流れが悪化したり、入れ歯に汚れが付いているとお口の中で増殖する病気です。
この菌はもともとお口の中にある菌ですので、健康な人の場合は影響がないものの、免疫力や体力が落ちた人のお口の中に繁殖しすぎてしまうと、舌苔が増えたり、お口の中がヒリヒリしたり赤く腫れたり、口角が切れたり・・などすることがあります。
さらに、肺や気管支、心臓にまでが細菌感染してしまい、重篤な状態になることもあります。
入れ歯の正しいケアに必要なもの
お口の中をお手入れする時にはお口の中用のウェットティッシュとスポンジブラシを用意しましょう。
粘膜をおそうじするので力を入れすぎず優しくきれいにしていきましょう。
もし、どうやっておそうじすればいいのか分からない方はクリニックで聞いてみるようにしましょう。
生涯おいしく食事するためにも日ごろの入れ歯のケアは大変重要になってきます。
ご自宅での正しい入れ歯のケアの流れ
1.入れ歯を外して水洗いする
流水の下で入れ歯専用歯ブラシを使い、人工歯や歯ぐきの部分などをきれいに洗っていきます。
入れ歯を磨く時には歯磨き粉を使ってしまうと、配合されている研磨剤によって傷が付いてしまい細菌が繁殖してしまうので、磨かない方がいますが、必ずブラシを使って磨くようにしましょう。
入れ歯のケアがいい加減だと口臭が起きることもありますので注意しましょう。
2.入れ歯洗浄剤に浸ける
入れ歯を清潔にすることはもちろんですが、保管という意味もあるため入れ歯洗浄剤に浸けるようにしましょう。
頑固な汚れの場合は一晩浸けておくといいでしょう。
3.水で流す
入れ歯洗浄剤の成分を流水で洗い流します。
入れ歯洗浄剤の種類によってすすぎが不足すると粘膜が炎症することがあるため注意しましょう。
クリニックでのメンテナンスの重要性
入れ歯はクリニックで作ってもらった後もメンテナンスをすることが大切です。
どの程度の頻度で調整してもらえばいいのでしょうか?
また、それにかかる費用はいくらくらいなのかをご紹介します。
新しい入れ歯を入れると違和感があることがよくありますよね?
入れ歯ができて2~5回程度は調整のために通院が必要になることがあります。
その後も噛み合わせや金属バネのゆるみなどを調整するため、年に数回程度定期検診に行った方がいいでしょう。
なお、保険を使った部分入れ歯を調整するケースでは費用は1,000円以内のことが多いです。
ただ、人工歯や金属バネを作り変える場合にはさらに費用がかかります。
自費診療で作った入れ歯だと調整料はクリニックによって違うため前もって確認しておく方がいいでしょう。
まとめ
入れ歯は完成すれば終わり・・というものではなく、その後のメンテナンスが重要です。
メンテナンスを怠ると、お口の中だけでなく全身にも悪影響が及ぶことがあります。
ご自分でのケアはもちろんですが、定期的に作成したクリニックでメンテナンスを受けていただき、いつまでもいい状態で入れ歯を使ってくださいね!