治療を受ける前に知っておくべき!インプラントのリスクと安全性について

歯を失ってしまった場合の義歯治療として、近年、高い人気を博しているインプラント。

インプラントは今からおよそ半世紀以上前に発見され、長年にわたり安全性を高めるための臨床研究が行われてきた歴史があり、現在においては治療技術も進歩し、義歯治療を受ける多くの患者様がインプラントを選択しています。

しかし、インプラントは外科的な処置が必要となるため、「手術が怖い」「治療中に痛むのではないか」など、不安を感じていらっしゃる患者様も少なくありません。

そこで今回は、インプラント治療をご検討中の方にぜひ知っていただきたいインプラント治療のリスクと安全性およびインプラントのメリット・デメリットについて詳しくご説明をさせていただきます。

インプラント治療を受けるかどうか迷われている方は、ぜひ、今回の記事をご参考になさってみてくださいね。

インプラント治療のリスクと安全性

まずはインプラントのリスクと安全性についてです。

Q.インプラントは人体に悪影響はないの?

A.インプラントの材料となるチタン金属は、生体との親和性が高く、整形外科分野においては人工関節、脳神経外科の分野では頭蓋骨の代用として使われるなど、非常に安全な素材のひとつです。

 

生体に影響の少ないチタン金属を使用するインプラント治療ですが、ごくまれに、埋め入れたチタン金属が原因で「金属アレルギー」を発症するケースもあります。

しかし、チタンはさまざまな金属の中でも特にアレルギーが起きにくいという性質を持つ金属のため、インプラント治療で使われるチタンが原因で金属アレルギーを発症してしまう確率は非常に低いものとなっています。

もし、治療前に不安がある場合には、事前に金属アレルギーのテストを受けておくことをおすすめします。

Q.インプラントは誰でも受けられる治療なの?

A.いいえ。残念ですが、インプラントは治療を適用出来ないケースがあります。

 

インプラント治療においては患者様のあごの骨に人工歯根を埋め入れる際に、歯周病などでお口の健康状態がよろしくない方や、人工歯根を埋め入れるのに必要なあごの骨の高さや幅、骨量などが足りていないケースでは治療を適用出来ないことがあります。

また、喫煙習慣がある方や糖尿病・重度のリウマチ・骨粗しょう症などの持病がある方も切開した歯ぐきの傷が治りにくく、埋め入れた人工歯根が安定しないため、治療を行うことはお勧め出来ないケースがあります。

ただし、あごの骨の高さや厚みが足りない場合にはあごの骨の骨量をインプラント治療が適用出来る水準にまで増やす骨造成骨移植を行うことにより、治療が可能となるほか、持病がある方でも、患者様の内科の主治医と歯科医師が相互に連絡を取ることによって治療が適用出来るケースもあります。

Qインプラント手術にリスクはないの?

A.インプラント手術のリスクは「親知らずの抜歯と同じレベルのリスク」となります。
ただし、外科的処置を行う以上、リスクがまったくないという訳ではありません。

 

インプラント手術で起こりうるリスクとしては、手術中にあごの骨の中の大きな血管を傷つけて大量に出血してしまう事故や、手術中にあごの骨の中の神経を傷つけて唇に麻痺が出てしまう事故などがあります。

しかし、これらのインプラント手術中の事故は事前の精密検査シミュレーションをきちんと行っていればほとんど発生する心配はありません。

Q.インプラントの寿命はどれくらいもつの?

A.適切な検査とシミュレーションのもとで手術が行われたのであれば、天然の歯と同じレベルの寿命を保つことも十分可能です。

 

インプラントは一度埋め入れた後は、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けて頂くことにより、天然の歯と同じレベルの寿命を保つことも十分に可能となります。

ご参考として、今から半世紀以上前の1965年に人類史上初のインプラント治療を受けたヨーロッパの男性は、その後彼が亡くなるまでの41年もの長いあいだ、埋め入れたインプラントは問題なく機能し続けました。

現在はその当時よりもさらに技術や器具が発達していますので、現代のインプラント治療がいかに安全性と耐久性の高い義歯治療であるかがお分かりいただけるかと思います。

Q.埋め入れたインプラントが抜け落ちてしまうことはないの?

A.インプラントはメンテナンスを怠ることによって引き起こされる「インプラント周囲炎」が原因で抜け落ちてしまうケースがあります。ただし、メンテナンスをしっかりと行っていれば埋め入れたインプラントが抜け落ちてしまう確率は高くありません。

 

インプラント治療は事前に綿密な検査とシミュレーションをした上で手術を行うことにより、高い確率で埋め入れた人工歯根とあごの骨が結合し、インプラントが定着します。

しかし、治療が適していない患者様(前述した糖尿病などの持病がある方や喫煙習慣がある方など)に手術を行った場合には埋め入れたインプラントがあごの骨とうまく結合せずに抜け落ちてしまったり、手術中に細菌に感染してしまった場合にも歯周組織が炎症を起こしてしまい、埋め入れたインプラントが抜け落ちることがあります。

インプラントのメリット・デメリット

メリット

  • ◇あごの骨に直接人工歯根を埋め入れるため安定性が高く、しっかりと食べ物をかめるようになる
  • ◇残っている天然の歯を傷つけることなく治療出来る
  • ◇部分入れ歯やブリッジで起こりがちな「義歯がズレる・はずれる」といった不具合が起こりにくい
  • ◇金具をかけて使用する部分入れ歯と異なり、埋め入れた人工歯根に上部構造である人工歯を連結する仕組みのため、より美しく自然な見た目の歯がよみがえる
  • ◇治療を行った後は埋め入れたインプラント体が人工の歯根となるため違和感が少なく、自然の歯に近い感覚で義歯を使うことが出来る。

デメリット

  • ◇先天性の疾患や、事故や病気であごの骨を大きく失ってしまったなどのケースをのぞき、治療は原則として保険が利かない自費診療となり、治療費用が比較的高額になる
  • ◇歯ぐきの切開など外科的な処置が必要(※ 手術では麻酔を行いますので、手術中に痛みを感じることはありません)
  • ◇糖尿病等の持病がある方や喫煙習慣のある方、あごの骨の厚みが足りない方など、治療が適用出来ないケースがある
  • ◇定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける必要がある

ご自身に合った治療を受けましょう

インプラント治療は安定性と耐久性に優れた義歯治療ですが、どなたにでもパーフェクトな治療を行えるという訳ではなく、今回ご紹介したように、患者様によっては治療を適用出来ないケースが存在します。

義歯治療をご希望される場合には、手術を成功させるためにもご自身にどのような治療が合っているのかをよくご検討していただき、インプラント治療のメリットやデメリットについて正しい知識をつけていただきたいと思います。

インプラント治療について不明な点があればぜひ相談にお越しください。

 

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