「インプラント治療」というと、どんなイメージがありますか?
「本物の、自分の歯のような感覚になる」「失った歯が蘇った気持ちになる」「違和感のない、自然な歯が作れる」「治療費が高額」「骨に穴をあけて、治療するから痛そう…」など、良いイメージ・悪いイメージの両方が浮かぶ方も、多いのではないでしょうか。
今回は、インプラント治療とは何か?ということ、インプラント治療の種類について、そして、治療方法と治療の流れについてご紹介します。
目次
インプラント治療とは?
インプラント治療とは、歯を失ったときの治療方法のひとつで、天然の歯(もともと自分が持っていた歯)と変わらない人口の歯を取り付ける治療方法のことを言います。
ひどい虫歯による抜歯や、事故などで歯を失った方はもちろんですが、最近では歯並びの良い美しい歯を作るために美容目的でインプラント治療を行う患者様も増えています。
インプラント治療は、歯肉を切開して、人工の金属をあごの骨に埋め込むことで、人工的な歯の骨を作ります。そして、この金属を土台にして、上に人工の歯を取り付けています。
数十年前までは、歯を失った場合、入れ歯やブリッジ(失った歯の左右にある健康な歯を削って、被せものをして、失った歯を補う方法です。歯の橋渡しをすることから“ブリッジ”と呼ばれています)という方法しかありませんでしたが、歯ごたえのあるものを食べたら取れてしまったり、入れ歯の場合は、取り外して洗浄しないといけない手間もありました。
しかし、このインプラントの登場により、歯を失った方も、見た目が自然になり、歯ごたえのある食べ物も楽しめて、本物の歯でしか感じられない味や温度を感じることができるようになりました。
そのため、メリットが多いインプラントという治療方法を選択する方が増えました。
インプラント治療の種類は?
インプラントは世界で100種類以上、日本国内でも30種類以上あると言われています。これだけの種類のインプラントがある中で、それぞれの歯科医院が、治療方針に合ったインプラントを選択しています。また、患者様の状況ごとに使用するものを変えるなど、工夫をしています。
そして、インプラント治療の種類は、「一回法」と「二回法」の2種類あります。
この違いは、手術を1回で行うか、2回行うかのということ。そして、人工の歯とインプラントの接続部分である「アバットメント」という部品を1回で取り付けるのか、2回で取り付けるのか、という違いがあります。
一回法
これは、インプラントを取り付けるまでの手術が一回のみで終わる方法です。
通常のインプラント治療方法と同じく、歯肉を切開して、インプラントをあごの骨に埋め込みます。一回法の特徴は、先ほど説明したアバットメントを口腔内に露出して、露出した上から人口の歯を被せることです。
なので、一回で手術が完了する仕組みになっています。
一回法のメリットは、
・歯肉の切開が一回のみで済むため、患者さんの身体(痛み)・精神的(怖い)な負担を軽減
・切開と、インプラントの取り付けを一回で行うため、長期間にわたる治療にならない
ということがあげられます。
一方、デメリットは、
・あごの骨がしっかりしていないといけないこと
顎関節症や、骨粗しょう症など、骨が弱いと一回法で手術ができません。手術前に自身のあごの骨の状態を理解する必要があります。
・骨再生法を行う場合、感染のリスクが高くなること
インプラント治療をする歯の骨が歯周病で溶けていたり、虫歯の影響で骨が悪くなっている、あるいは、事故で骨が破損している場合は、骨の再生を行わなければなりません。一回法で、骨再生も同時に行った場合、感染症のリスクが高まると言われています。
二回法
続いて、これはインプラントを取り付けるまでの手術を二回行う方法です。つまり、歯肉の切開を二回行う治療方法です。
治療方法は、一回法と同様、歯肉を切開して、あごの骨にインプラントを埋め込む穴を作ります。そして、インプラントを埋め込み、その上に歯肉を被せて、縫います。
そして、一回法と異なるのがインプラントと骨が結合するまで、約3~6か月治癒期間として待ちます。
3~6か月後インプラントがあごの骨と結合したら、二回目の手術を行います。
2回目の手術では、再度歯肉を切開して、インプラントにアバットメントをつけます。その後、アバットメントの型をとって、人工の歯を作成し、アバットメントにセットします。
この2回の手術を行うのが、二回法です。
二回法のメリットは、
・一回目で切開した歯肉が閉じるまで治癒期間があるため、感染する可能性が低いこと
・ほとんどのケース(インプラントの種類、あごの骨の状態)でも対応できること
そして、デメリットは
・歯肉の切開を2回行うため、患者さんへの身体・精神的な負担が大きいこと
・治療が3~6か月の中期間にわたること
です。
インプラントには、この2種類の治療方法があります。続いては、インプラントの治療方法と流れについてご紹介します。
インプラントの治療方法と流れについて
インプラントの治療方法と流れは、歯科医院によって異なります。
しかし、大体の流れは同様なので、治療方法と流れについてご紹介します。
カウンセリング
インプラント治療を検討する際には、まずは歯科医院にお越し頂き、カウンセリングを行います。
カウンセリング時には、歯のレントゲン撮影をして、その結果をもとに患者様ごとに適した治療方法、手術方法、治療手順についてご説明します。
そこで、治療に必要な費用についてもご説明します。。
また、ここでは、インプラントに関する不安や疑問について質問して頂くことができます。患者様に安心して治療を受けて頂きたいので、患者様の疑問点にお答えし、納得頂いた状態で治療を開始します。
検査と手術日を決める
カウンセリングを行い、いよいよインプラント治療を始めると決めた場合、「手術をしてもよい状態なのか?」を見極めるための血液検査と、口内の検査を行います。口内の検査は、CTスキャンを行い、より詳しい状態を把握した後に手術日を決定します。
手術日は、治癒期間も含めて考えるようになります。患者様がベストの日程を選択します。
患者様の予定と、歯科医院の都合がマッチする日程で手術日を決定するので無理やり決めることはありませんのでご安心下さい。
手術当日
手術にかかる時間は、インプラントの本数、口内の状態、手術方法によって異なります。平均30分~2時半の手術になります。
また、ほとんどの場合が、全身麻酔ではなく、静脈内鎮静法で麻酔を行うため日帰り治療が主流です。
手術後メンテナンス
手術が終了したら、メンテナンス期になります。手術後は、口内を清潔に保つことが大切なので、歯みがき指導を始め、定期的にメンテナンスと検診にお越し頂くと良いでしょう。。
ご自身にあった治療の種類と方法を一緒に見つけましょう!
今回は、インプラント治療について、治療の種類について、治療の流れについてご説明しました。
インプラント治療を検討している方、興味がある方は、ぜひ自分に合った治療方法を見つけて、納得がいくインプラント治療をしましょう。