誰でも受けられる訳じゃない?インプラントのデメリットについて

失った歯の機能を取り戻すための治療法として、インプラントを希望する人が増えています。インプラントは特に噛む機能に優れており、見た目も美しいなどメリットが多いですが、実は誰でも受けられるわけではありません。今回はインプラントのメリットとともに、デメリットやインプラント治療が受けられない理由を中心にお話します。

インプラントのメリット

インプラントがどのように優れているのか具体的に説明します。

噛む機能に優れている

インプラントの最大のメリットは、「噛む機能が優れていること」です。インプラントが顎の骨としっかり結合しているため、天然歯と変わらない咀嚼力が実感できます。

 

他の歯に影響を与えない

インプラントは、歯を失った部分だけを治療するため、他の歯に影響を与えません。ブリッジは健康な歯をたくさん削ります。健康な歯をたくさん削ることで、様々なリスクを抱えることになります。
また部分入れ歯は、金具を引っ掛ける歯に大きな負担がかかります。
これに対し、インプラントは周囲の健康な歯を傷つけることがありません。他の歯に影響を与えず治療ができることも、インプラントの大きなメリットです。

 

審美性が高い

見た目が美しいことも、インプラントが人気である大きな理由です。
インプラントの上に装着する人工歯はセラミックなど、白く透明感の高い素材が使われるためとても美しく、周りの天然歯と比べて違和感がほとんどありません。
人前でも歯のことを気にせず食事や会話を楽しめるため、笑顔に自信を持って日常生活を過ごすことができます。

このようにメリットがとても多いインプラントですが、どの治療にもデメリットは存在します。次にインプラントのデメリットを紹介します。

 

インプラントのデメリット

外科処置を伴う

入れ歯やブリッジと違い、インプラントは手術という外科処置を伴います。手術により血管や神経に傷がついてしまう可能性は0%とは言い切れません。
リスクを伴う治療法というデメリットがあります。

 

治療終了まで時間がかかる

保険の入れ歯やブリッジの場合、約3~4週間ほどで完成します。しかしインプラントの場合、部位や治療過程にもよりますが、カウンセリングから人工歯が入るまでおよそ半年から10ヵ月くらいかかります。
インプラントを入れる手術を行ってから、骨とインプラントが結合するまで一定期間を要し、結合を確認してから人工歯の型取りを行うため、完成までかなり時間がかかります

 

インプラント周囲炎の危険性

インプラント治療後に起こる最も多いトラブルは、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎は、インプラント周囲から歯周病菌が入り込み、歯ぐきや歯槽骨に炎症が起きることを言います。
このため歯ぐきの腫れや出血など、歯周病と似た症状が起こります。
セルフケアやメンテナンス不足から招くトラブルで、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。

 

費用面

インプラントは自費治療のため、保険が適用できる入れ歯やブリッジに比べると、費用が高くなります。
費用は歯科医院により違いますが、一般的に1本30~50万くらいが相場と言われています。

 

全ての人がインプラント治療をできるわけではない

入れ歯やブリッジは外科処置を伴わず、顎の骨の状態に左右されないため、誰でも治療を受けることができます。
しかしインプラントは、場合によっては治療を受けることができないことがあります。ここではインプラント治療が難しい、またはできないケースについて説明します。

 

顎の骨が少ない場合

まずインプラントを埋めるために必要な顎の骨の量が足りていないとインプラント治療は難しくなります。
重度歯周病などにより骨吸収が著しい場合や、歯を失った状態が長い場合も骨吸収が進む傾向にあります。CTを使って顎の骨の状態を詳しく検査し、インプラントを埋めるための骨が足りない場合、インプラント治療を受けられないことがあります。

 

持病がある場合や薬を服用している場合は主治医と相談を

インプラントは手術を必要とするため、持病がある場合や飲んでいる薬の種類によっては手術ができない場合があります。
重度の糖尿病の場合や高血圧の方は、主治医とよく相談する必要があります。
特に糖尿病の方は血糖値のコントロールがうまくいっていない場合、インプラント治療は難しい可能性があります。脳梗塞を患った方で血栓予防の薬を飲んでいる方も注意が必要です。

 

絶対的禁忌は、骨粗鬆症の薬と放射線による抗がん治療

骨粗鬆症で問題になるのは、服用している薬です。
骨粗鬆症の方で「ビスフォスフォネート製剤(BP製剤)」です。このビスフォスフォネート製剤は破骨細胞の働きを抑制し、骨の吸収を防ぐ薬です。この薬を服用または注射している方がインプラント手術などの外科治療を受けると、顎の骨が壊死すると言われています。このBP製剤を使っている患者さんは、インプラント治療ができません。

また、がん治療として放射線治療を行っている方も、基本的にインプラント治療を受けることはできません。特に顎の骨に放射線を受けている方のインプラント治療は禁忌です。

このように、インプラント治療が難しい場合は、入れ歯やブリッジを選択することになります。インプラントをお考えの方で内科的治療を行っている方は、主治医と歯科医師にご相談ください。

 

まとめ

メリットの多いインプラントですが、状態によってはインプラント治療を受けることができない場合があります。
インプラントの特徴や良し悪しを踏まえた上で、インプラント治療を行うかどうか、また受けることができるかなど、担当医としっかりと相談することが必要です。

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