歯周病が全身に及ぼす影響とは

歯周病という病気について、最近よくメディアなどで取り上げられるようになりました。

歯周病は細菌感染による病気ですが、この最近は歯周病以外にもさまざまな重篤な病気の原因になると言われています。歯周病治療を行うことは歯だけでなく全身の健康を守ることに繋がるということでもあります。

ここでは歯周病が全身の健康にどういった影響があるのか詳しくまとめますので、ぜひご参考になさってみて下さい。

歯周病が原因となる病気とは

そもそも歯周病が原因になっている可能性がある病気には、どういったものがあるのでしょうか?

糖尿病

日本の糖尿病患者の数は700万人にも上ると言われており、糖尿病になると神経障害や網膜症などといった合併症が起きることがあります。糖尿病患者さんのほとんどには重度の歯周病が見受けられるようです。

さらに、歯周病の炎症で作られるサイトカインの中である種類のものが血糖値を下げる働きのあるインシュリンを阻害するため、歯周病患者さんは血糖コントロールがしにくくなります。

歯周病を治療することで炎症が治まり、サイトカインの濃度が低くなれば血糖コントロールを改善することができる可能性があります。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは唾液中の細菌が気管に入り、肺に感染することで起きる肺炎のことを言います。

誤嚥性肺炎は高齢者に多い病気の一種です。特に介護が必要な高齢者は咳反射や飲み込む力が悪くなっているため、プラークや唾液などが気管に入りやすくなることで誤嚥を起こしやすいと言われています。このように、歯周病菌などが入り込むことによって肺炎が起きやすくなるのです。

実際にこの病気にかかっている患者さんからは歯周病原性細菌が発見されているため、高齢者に適切なお口のケアを行って歯周病菌などのお口の中の細菌を減らせば肺炎になるリスクを低くすることができます。

冠状動脈性心疾患

冠状動脈は心臓に血液を供給するものですが、ここでの血流が悪くなって心臓に障害が起こる病気を総じて冠状動脈性心疾患と呼んでいます。

その中でも、狭心症心筋梗塞などの虚血性心疾患は冠状動脈にプラークを作り閉塞されることによっておこる病気です。

血管の中に入った歯周病菌が血液に乗り冠状動脈まで届くことで、心血管の病気になりやすいと言われています。歯周病になっている方が心血管疾患になるリスクは1.2倍にもなると言われているから驚きですね。

骨粗しょう症

骨の強度が低下して、骨折するリスクが大きくなる病気を骨粗しょう症といいます。骨粗鬆症になると、骨の中がスカスカになってもろくなり、ちょっと手を付くだけでも骨折してしまうようになります。

ろくに閉経により女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減少すると、骨密度が低下して骨粗しょう症を発症するリスクが高まるだけでなく、歯周病も悪化しやすいことも判明しています。

近年では歯の治療のために撮影したレントゲン写真から骨粗しょう症を診断できるようになっています。歯科治療を行っている中で骨粗しょう症の兆候を見つけられる可能性もあるので、歯周病と骨粗しょう症には深い関係があるといえます。

早産&低体重児出産

妊娠するとホルモンバランスの変化により歯ぐきから炎症が起こりやすくなってしまい、歯周病になる人が増えると言われています。

歯周病になることで早産と低体重児出産のリスクを高め、歯ぐきの血管内から侵入した歯周病菌が血液に乗って子宮まで届くと子宮筋が収縮して早産や低体重児出産になるリスクが高まります。

ある調査によれば、歯周病の妊婦さんが低体重児を出産する危険性はそうでない妊婦さんと比べて4.3倍にもなると言われています。

歯周病の治療法

基本治療

歯周病の治療法は進行度合いに関係なく最初に行われる治療が基本治療となります。原因となるプラークの除去や歯石の除去、歯根面の滑沢などがあります。

クリニックでは歯の表面についてしまったプラークや歯石を器械を使って取り除くスケーリングを行います。また、歯の表面がざらついていたり、歯石がたくさんついていたり、微生物などで汚染された表面をきれいにするルートプレーニングをスケーリングと同時に行うことが多いです。

さらに、歯周病が進むにつれ歯は動いてしまうのですが、動いている歯でものを噛むことで負担がさらに増すのため、負担を軽減するために歯を削ったりして噛み合わせを調整することもあります。それでもまだぐらついていて噛みづらい場合には隣の歯と接着することでぐらつくのを抑える治療を行います。

こういった基本的な治療で歯周組織は改善されるため、歯周ポケットを浅くできれば定期検診だけで済むようになります。

外科治療

基本治療で歯周ポケットの深さが改善されず、細菌が生息していてブラッシングで取り除けなかったり、歯周病が進んでしまっている場合には手術を行うこともあります。

さらに、特殊な材料を使って失われてしまった骨を再生する処置を行うこともありますが、手術は患者さんの病気の状態に合わせて行います。

定期的なメンテナンスが重要

歯周病を予防するには日ごろのセルフケアを丁寧に行い、プラークコントロールをすることが大切です。

歯周病は放置してしまうと悪化す悪化する一方ですので、早めにクリニックに相談する必要があります。

日ごろのケアをきちんと行っていても、セルフケアには限界があり、歯磨きだけで全てのプラークを取り除くことは難しいでしょう。そのため定期的に歯石をクリニックで取り除く必要があるのです。

定期的にクリニックに通うことによって、ご自分では取り除けなかったプラークを完全に取り除くことができ、歯石を取り除くことによって歯ぐきの状態を良好に保つことができますので、定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。

まとめ

歯周病は口の中だけの問題ではなく、全身に影響する可能性がある怖い病気ということが分かりました。

お口の中に汚れがあったり、歯石が多いままだと歯茎が腫れてしまい、血液を通して体中に感染しやすくなります。万が一歯周病かも知れないと不安に感じたら、なるべく早めにクリニックにお越しください。

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