抜歯しない治療法はあるのか

みなさんはクリニックで抜歯したことがありますか?
この歯は寿命なので抜きましょう・・と歯を抜いた方は歯科医師から言われれたことがあるでしょう。

でも、その時疑問に思いませんでしたか?
本当にその歯は抜かなければならなかったのか、最新の歯科医療でなんとか残せなかったのか?

ここでは抜歯せずに済む歯周病治療についてご紹介してみたいと思います。
重度の歯周病になってしまった際のご参考になさっていただき、歯を抜かずに済むようにしてくださいね。

抜歯が必要な場合とは

そもそも抜歯が必要な場合とはどういったものがあるのでしょうか?

歯周病治療はできる限り歯を残すための治療で、歯周病になった歯や歯ぐきを元通りの健康状態に戻したり、進行を止めるのが治療の根本です。
ですので、歯科医師はそういった視点からどうすれば歯を抜かずに済むのかを最初に考えて治療を行っていきます。

ですがどういった方法で治療しても、残せないと判断した歯については抜歯を勧める場合があります。
その理由はそのような歯を残すことで歯周病菌が居心地いい環境を与えることになってしまい、その周囲の骨が大量に溶け出したり、口臭の原因になったり・・と、さまざまな悪影響をお口だけでなく全身に与えてしまうからです。

歯を抜くことを勧める具体例としては

・歯の中で生じた難治性の病気を起こしている歯
・治療効果が全くなく炎症が続く歯
・歯が過度にぐらついている
・折れてしまった歯
・虫歯があまりに大きくなっている
・総合的な治療を行う上で障害となる歯
・隣の歯に悪い影響を与えている歯
・周囲の骨が大量になくなり原因になる歯

・・などがあります。

さらに、患者さんの要望によっても歯を抜く必要があることもあり、実際に歯を抜くかどうかを決めるには歯科医師との信頼関係やコミュニケーションが重要です。

歯を抜かずに済む歯周病治療

エムドゲイン

この治療法は歯周病で溶けてしまった歯根膜やあごの骨などの歯周病組織を再生させる治療法の一つです。

エムドゲイン・ゲルというたんぱく質の一つを歯根部に塗って、歯が生えてくる時と同様の環境を作りだすことで歯周組織を再生していきます。
主成分はとエナメルマトリックスデリバティブ言われる豚の胚芽組織から作ったたんぱく質で、これによって歯が生える時と同様の環境を再現して歯周組織を再生します。

なお、この治療法は世界40か国以上で行われている安全性が高い治療法で、日本でも2002年に認可されています。
エムドゲインの費用ですが、保険外診療のため50,000~150,000円程度が一般的です。
再生できる骨の形としては垂直に溶けており周囲に骨の壁が残っている場合で、水平に横に溶けているケースでは行えません。

エムドゲインの最大のメリットとして歯周病によりなくなった歯周組織を再生できることで、ブラッシングがしやすくなってプラークや歯石が溜まりにくくなることが挙げられます。
ですので、歯周病が進行したり再発するリスクが軽減できると言われています。

歯周病が進行することであごの骨が溶かされてしまい歯ぐきが下がってしまうことで歯が長く見えることがありますが、この治療法によってあごの骨が再生できれば歯ぐきが盛り上がるので見た目もよくなります。
エムドゲイン再生治療を行ったからと言っても、全ての骨が再生できるとは限っていません。
骨が溶けたところにエムドゲインを入れると5割~9割程度の骨を再生できると言われており、再生できる量については人によって違っています。

また、エムドゲイン再生療法を行える骨の形というものがあり、周囲の骨は残っていても部分的に骨がなくなっている場合で全体的に骨がなくなってしまっていたり、歯根部の先まで骨が溶けている場合では行えないので注意しましょう。

エムドゲイン再生療法は歯茎を切開し、中にある汚れを除去して薬を入れていきます。
ですので、骨はできても歯ぐきは下がってしまいますが、歯周ポケットが浅くなるので歯ぐきが下がることは悪いことだけではありません。

この治療法は外科的処置が必要なので、骨粗しょう症や重度の糖尿病など長期間薬を飲んでいる方は受けることができません
こういった方は感染リスクが高いため骨や歯茎が再生しません。

骨が溶ける原因は歯周病の進行によるもので、また歯周病にならないためにも定期的にクリーニングを行っていい状態を維持できるように努めましょう。

ゴアテックス膜を使う

他にもゴアテックス膜を使用した歯の周囲の骨を再生させる治療法を歯周組織誘導再生療法と呼び、外科的に切開し骨のない部分にゴアテックス膜を置いて骨を再生させていくものです。
保険内診療なので3割負担の場合15,000円程度で済みます。

治療の際には膜が感染しやすいので、最近では上でご紹介したエムドゲインが主流になっているようですね。

マウスピースを使う

この治療法はマウスピースを作って、その中に除菌効果のある薬剤を入れ歯周病菌を除菌するものです。
これを3DS除菌療法と呼びます。

治療方法としては細菌検査を行ってそれぞれの人に合った除菌薬を歯周病菌に浸透させ歯周病を治療していきますが、骨を改善できないのでエムドゲインなどの治療で骨を生成させて行うと効果があります。

抗生物質を使う

ジスロマックと言われる抗生物質を飲み歯周病菌を殺菌する治療です。
このジスロマックは歯周病菌に大変有効だと言われていますが、何度も飲むことで耐性菌ができてしまい効果が薄くなります。
なので、抗生物質を服用しながらブラッシングやクリーニングなどで細菌をコントロールすることが大切です。

まとめ

抜かなくて済む歯周病治療などについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

歯をなくしてしまうことは体の一部を失うことであり、患者さんにとってとてもつらいものです。
それを考慮すれば、歯を抜くことを伝える歯科医師の立場も大変つらいものだと言えます。
患者さんと歯科医師との考え方の違いや価値観の違いはあっても、その溝をいかに埋めて治療を進めていくかがとても重要なことだと言えるでしょう。

ぜひ、歯周病治療を受ける際のご参考になさってみて下さい。

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