なぜ歯周病になるの?歯周病になってしまう原因とは

 

あらゆる病気は医師や専門家でない限り、原因と予防の知識を持っているだけでは正しく対処することはできません。

大切なのは、なぜ・どのようなプロセスで発症するかを知ることです。

ここでは歯周病の原因や種類について紹介していきますが、より深く理解してもらうためにメカニズムについても詳しく説明します。

 

歯周病のメカニズム

歯周病とは歯周組織と呼ばれる歯と歯肉を構成する組織が、プラーク(歯垢)に含まれる歯周病菌に破壊されていく病気の総称です。

まずは歯周病が起こってから歯が抜けてしまうまでのメカニズムについて説明します。

 

メカニズム①

プラークに含まれる歯周病菌は強い毒素を作り出します。この毒素は外毒素と呼ばれ主成分はタンパク質できています。

外毒素には健康な歯肉の表面部分に炎症を起こす作用があります。肌も同じですが炎症を起こした部位は腫れます。

炎症によって腫れた歯肉はぴったりとくっついていた歯と歯肉に、すき間(歯周ポケット)を生じさせます。数字で表すと健康な歯周ポケットは0.5~2mm程度ですが、中程度まで進んだ場合は4~7mmまで広がります

そこに歯周病菌を始めとした菌・毒素が侵入することが歯周病が悪化するきっかけです。

 

メカニズム➁

侵入した時点では白血球が毒素などの菌を除去しようとしています。

白血球の働きが弱い場合、つまり体や口内のコンディションが悪く菌への抵抗力が弱い場合は次々と侵入してくる菌の進行を防ぎ切れません。

菌がどんどん歯肉に取り込まれてしまうため、腫れなどの炎症が悪化し出血しやすい歯肉となっていきます。

 

メカニズム③

さらに進行すると菌は歯槽骨に至ります。歯槽骨とは歯肉と歯そのものを支える骨のことで、たとえるなら家を建てる前に作られる基礎に当たる重要な組織です。

菌や毒素に直接骨を破壊する働きはありません。炎症によってつくられる破骨細胞が歯槽骨を破壊する原因となります。これは歯周病の炎症性骨破壊と呼ばれ、難病リウマチとの関連性も高い恐ろしいリスクを含む状態です。

歯槽骨が破壊され続けることで徐々に歯がグラつきはじめ、最終的には歯を失う(抜ける)ことになります。

 

歯周病の種類

歯周病は症状・進行度によって3つの名前が付いています。

歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏です。

健康な歯肉には、淡いピンク色で触ると張りがあるといった特徴がありますが重度になるほどその様子が変化していきます。

これを踏まえた上でそれぞれの特徴を説明します。

 

  • 歯肉炎の特徴
  1. 歯肉は赤色で膨らんでいるように厚く見える
  2. 歯磨きなどの刺激で出血することがある

 

プラークが歯肉を侵し始めている状態が歯肉炎です。

軽い炎症を起こしてはいますが、刺激を与えない限り痛みや腫れといった自覚症状はほとんど感じません。良い事のように聞こえますが、自分が知らないうちに病気が進行しているという恐ろしい状態です。

 

  • 歯周炎の特徴
  1. 歯肉は黒が混ざったような濃い赤色で触ると歯がグラつく
  2. 頻繁に血が出る

歯周ポケットの深いところまでプラークが侵入している状態です。

色が黒っぽくなるのは炎症が酷くなっている証拠です。歯肉は痩せていき後期の場合は歯の根っこ(歯根)が露出します。

刺激を与えなくても血が出るようになり、食事の際にしみたり痛んだりします。

 

  • 歯槽膿漏の特徴
  1. 歯肉から血や膿が頻繁に出て口臭がする
  2. 歯がグラつき放置すると抜けてしまう

 

歯周病の最終段階が歯槽膿漏です。

先ほど紹介したメカニズム③の状態です。歯と歯肉の間はすき間だらけで歯槽骨が侵され続けると歯が抜けます。

歯槽膿漏まで進んでしまうと歯医者で治療を受けても抜けた歯は元には戻りませんし、完治にはかなり時間を要することになります。

 

歯周病を引き起こす3つの原因

歯周病を引き起こす原因は何なのか。3つ挙げます。

 

1.ブラッシングが正しくできていない

ブラッシングは歯周病を予防するもっとも大切な基本です。

歯周病の元となるプラークや食べカスを取り除くために毎日歯磨きをする人は多いですが、正しい方法で行っている人は少ないようです。

 

誤った方法でのブラッシングはむしろ歯周病の原因にもなります。

たとえば力を入れ過ぎてゴシゴシ磨くようなブラッシングは、歯肉を傷つけて炎症を悪化させたり、プラークの侵入経路である歯周ポケットを広げたりすることになります。これは転んでケガをした部分に自ら石をぶつけているようなものです。

 

正しい方法に自信がない人やブラッシングの際によく血が出てしまうという人は、歯科医院でアドバイスを受けることをお勧めします。

 

2.慢性的な栄養不足

栄養不足が続くと菌に対する抵抗力が弱まります。

ビタミンが豊富に含まれる緑黄色野菜や魚、肉に含まれるタンパク質などをバランスよく摂ることが大切です。

ビタミンには歯肉の粘膜を強くして菌から守る効果があり、タンパク質には歯や歯の骨にとっての基質となる効果があります。

 

食事の際はしっかりと咀嚼(そしゃく)するようにしましょう。しっかり噛むことで唾液の分泌を促し口内にある細かい食べカスや菌を押し流すことができます。

またお酒などアルコールの摂り過ぎは口内を脱水状態にさせ、唾液の分泌を減少させるので要注意です。

 

3.タバコ

厚生労働省が提供する健康サイトe-ヘルスネットには、喫煙者は非喫煙者に比べて約3~8倍歯周病になりやすいというデータがあります。

 

原因はタールニコチンです。

タールは歯や歯肉に付着することで粘着性を高めます。ただでさえ落ちにくいプラークがその粘着性によってより付着しやすくなるのです。

毒性が強いニコチンは血管を収縮させサラサラの血流を滞らせます。血液の不順は動脈硬化や脳梗塞といった重病から倦怠感や頭痛といった軽い病気まで、体の様々な部分に連鎖的に悪影響を及ぼします。

生活習慣病の1つである歯周病にも、その影響が及ばないとは限りません。

 

予防と治療

歯周病はブラッシングやデンタルフロスなどで予防することは可能ですが、すでに歯周病にかかっている場合は余程丁寧にケアを行わない限り進行を遅らせる程度の処置しかできません。

歯周病菌はプラークだけでなくプラークが固まってできた歯石にも住み着くためです。

 

歯石は歯科医院のスケーリングという専用器具を使った治療でしか除去できません。歯磨きをしたのに歯がざらつく、常に口内がネバネバする、といった症状がある人は歯石ができている可能性があります。

それは今現在も歯周病を患っているということです。

思い当たる人は歯科医院での検診を検討してください。

 

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