歯周病について知っておきたいポイント5つ

今や日本の国民病ともいうべき存在の歯周病。

自覚している方は少ないのですが、厚生労働省が3年毎に実施する“患者調査”の平成26年版によると、20歳代の約7割、30~50歳代は約8割、60歳代は約9割が歯周病を罹患しています。

歯肉炎及び歯周疾患の継続的な治療を受けると推測される総患者数は約331万5,000人で、この数字は前回調査よりも65万人以上増えているのだそうです。

そのうち男性137万3,000人、女性194万2,000人で、女性の方が多いという結果に。

あなたは大丈夫でしょうか。

【ポイント1】身体には常に菌がいます

歯周病を簡単にいうと、細菌感染による炎症です。

細菌は、最初は大人から子どもへなど、身体の外から長い年月をかけて感染しますが、その後は“常在菌”としてその人間の身体の中や表面にいるようになります。

口腔内の常在菌は300~500種類くらいだとされており、これらの菌はただ「いる」だけでは良くも悪くもないものも多いのですが、口腔内の状態によっては病気を引き起こす原因になってしまうのです。

例えば、歯磨きを怠って歯垢(プラーク)が溜まった場合、歯垢1mgには10億の細菌が存在するそうです。

この増えた細菌からでる毒素によって歯茎に炎症が起こり、炎症が進んで歯を支える骨まで溶かす病気が歯周病です。

ですから口腔内を清潔に保ち、歯垢の除去を心がけることが歯周病予防につながります。

【ポイント2】ほとんど自覚症状がありません

歯周病が怖いのは、ほとんど自覚症状のないうちに病気が進行し、気づいたときには歯を失ってしまうということです。

痛み等はなくとも、口臭が気になったり、口が乾燥したり、寝起きに口の中がネバネバしたりするときは歯周病を疑ってみましょう。

また、歯と歯の間に食べ物がはさまりやすくなったり、何だか歯が長くなったと感じたりしたら、できるだけ早く歯科医を受診しましょう。

最悪、歯を失ってしまった場合、歯を補う治療法としてインプラントがあります。

しかし、重度の歯周病を患ったあとで、歯を支える骨が著しく減ってしまっている場合は手術が難しくなります。

またインプラント手術後のメンテナンスをせずに歯周病になってしまった場合、骨が溶けることでせっかく埋入したインプラントまで失ってしまうことになります。

「歯磨きをしたら歯茎から出血する」といった目に見える兆候がなくても、口腔内に何らかの違和感のあるときは、一度、歯科医を受診されることをおすすめします。

【ポイント3】歯周病はお口の生活習慣病!まずは生活の見直しを

歯周病の発症や進行は、生活習慣と密接に関わっています。

「歯を磨かない」というのはわかりやすい悪習慣ですが、その他にも、喫煙、運動不足、睡眠不足やストレスなどの免疫力が落ちるような生活習慣も歯周病を悪化させます。

歯周病は血行が悪くなると悪化しますので、歯磨きの際は「歯」だけを磨くのではなく、歯と歯茎の間や歯茎そのものを優しくブラッシングし、血行がよくなるように心がけるとよいでしょう。

また食事の栄養バランスも大切です。

糖分の多い食品は少なめにし、たんぱく質やカルシウム、鉄分、ビタミンA、ビタミンCなど歯周組織の抵抗力をつけるような食品を多めにして、規則正しく摂るようにしましょう。

【ポイント4】歯周病は全身の病気とも関連するので注意

歯周病が原因となって歯茎でつくられた炎症性物質は、血液中に入ってインスリンの働きを妨げます。

インスリンは血糖をコントロールするホルモンですので、血糖のコントロールがうまくいかず糖尿病を悪化させる可能性があります。

また、逆に糖尿病になると高血糖の状態が続き、免疫力が落ちます。

歯周病は感染症の一種なので、免疫力が落ちたときに発症したり悪化したりしやすいのです。

糖尿病は自覚症状がない上に、高血圧や狭心症、心筋梗塞等を連鎖的に引き起こしますので注意が必要な病気です。

また骨粗しょう症も歯周病とお互いに関係しあう病気だと考えられています。

このふたつの病気はカルシウムの摂取によって改善されますので、積極的に摂りたいですね。

口は消化器官の入り口として、重要な役割を占める部分です。

ここが細菌にやられた状態でいると全身へと影響を及ぼすのは想像に難くありません。

できるだけいいコンディションを保ち、健康でいたいですね。

【ポイント5】罹患すると“完治”することはありません

歯周病は、悪くなっていた状態が”改善“することはあっても、まったく何もおこらなかったかのように元の状態に戻るということはありません。

そういう意味では”完治”することのない病気です。

虫歯を削って詰め物をしたら、虫歯はなくなりますが、削った歯が元に戻ることはないのと同じです。

歯周病は口腔内にいる細菌が引き起こす病気で、この菌がいなくなるということはありません。

ですから、一旦症状が改善したとしても放置しておくとまた進行します。

これを防ぐためには、歯科医にて定期的なメンテナンスをすることが必要です。

口腔内の菌を全くなくするというのはできませんし、身体にとって有益な菌まで排除するのは逆に良くありません。

歯科医では、家庭での歯磨きだけでは落としきれないバイオフィルムになってしまった歯垢や歯石、をPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)や「スケーリング」や「ルートプレーニング」によってきれいにしてくれます。

バイオフィルムとは、細菌によって作られたドロドロネバネバした汚れのことです。

歯科医にて歯垢の量を管理するプラークコントロールの上手なやり方を教わり、実践することが大切です。

とくに歯磨きでは、歯垢のたまりやすい歯と歯茎との間を重点的に磨くようにしましょう。

まとめ

自覚症状のない歯周病だからこそ、予防が非常に大切です。

歯の健康を維持することは身体全体の健康維持につながりますので、3ヵ月〜6ヵ月に1回くらいの間隔で、歯科医にメンテナンスをしてもらうのがおすすめです。

早期発見、早期治療をすることで歯を削るような痛い思いをしなくてすみますし、プロの手によるクリーニングでお口もすっきり爽やかになります。

口臭も防げますし、自分の状態を知り改善できるという、健康に対する安心感をもつこともできます。

 

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